寄稿 ~場とつながりの研究センターメールニュース(7月1日号)

こんにちは。私は、ボランティアコーデネーション力検定2級に合格した主婦です。

3年前から両親の介護を抱え、自宅の三田と実家の大阪を往復する日々が続いてました。両親のW介護で八方塞がりになっていた時、偶然実家近くの写真屋さんで「住開き」の手法でコミュ ニケーションを図っている高齢者の事例がテレビ放映されました。このテレビ放映が私の脳裏に深く焼き付離れません。

-平成23年3月、母親がくも膜下出血で倒れ救急搬送された病院で、内視鏡を使ってクリップで止血しましたが、7月末に転院先の回復期リハビリ科病棟で歩行訓練中に再度くも膜下出血しました。元の手術していただいいた病院へ再度転送され、今度は5時半にも及ぶ 開頭手術をしました。手術は成功しましたが、髄膜炎を併発したため回復が遅れ、車椅子の状態のまま再度6か月間リハビリ訓練を続けました。しかし、高齢のため下半身の筋力が萎え、寝返りすら打てない状態になってしまいました。

要介護5、身体障害2級に認定され平成24年3月、老健施設に入所してリハビリ訓練を続けることなりました。「生かされた命に感謝すると共に、回復した機能を活かして地域の皆さんと楽しく交流することで、豊かな老後生活を営みたい」。そんな母の願いと私の両親が築いてきたパン屋 「かどや ベーカリー」のイメージを忘れないようにとの願いから、「かどやベーカリ」の 元倉庫兼ガレージをサロン風にデザインしてリフォームすることと、サロンの名称を「まち・かどや」にすることを兄弟で相談しました。

両親のW介護とリフォーム工事の調整や、実家や倉庫の片づけ等と並行して、行政や社協、地元自治会、民生委員・介護事業所・ケアマネ・かかりつけ医・院外薬局・介護タクシー業者 etcから介護のしくみを学んだり、人材発掘に奔走しました。そのおかげで運営サポート、資金援助、情報発信などの支援や制度を整備して、地域の介護支援者のネットワークを構築することができました。

そしてついに 平成24年12月地域の交流拠点として住開き手法で、念願の「まち・かどや」が誕生しました。オープニングイベントには三田の市民活動団体の方もご支援頂き、たくさんの近隣の高齢者の方に参加していただくことができました。

平成25年には福島区地域交流拠点設置支援事業に採択されました。現在、第1~第3金曜日・第4木曜日14時~16時「福・福サロン」を運営中です。「学ぶ」「作って楽しむ」「ペーパークラフト」「お抹茶」といったさまざまなサロンを介護経験のある支援者と一緒に開催するなど、平成25年度はのべ350名の参加者が「まち・かどや」で交流しました。
母親は老健施設から毎週介護タクシーで送迎してもらってサロンに参加しています。「サロン」がきっかけで上半身は見事再生しました。元々視力障害の合った父親は、自立支援の同行援護サービス等を利用して外出可能になり、情緒も安定してきました。毎週「福・福サロン」にヘルパーと参加、母親に会えるのを楽しみにしています。

平成26年5月には某福祉財団からの助成金でプロジェクター、スクリーン、ブルーレイレコーダーの設置が完了しました。6月6日には、(株)第一興商のインストラクターとコラボで、「座ってできる歌謡体操」をプロジェクターとスクリーンを使って開催しました。当日は5ヶ月の赤ちゃんを連れたママや、社協にインターンシップに来ていた学生も参加して、4世代交流事業となりました。今後、プロジェクターとスクリーンを活用し、「介護寺子屋事業」として「勉強会」を企画したり、「介護のしゃべり場事業」として「交流会」などを企画して介護体験者のネットワーク化を図り、介護を抱える家族と一緒に地域課題を解決していく予定です。

「“想い”を強く持てば“夢”はきっと叶う」ですね。みなさんもぜひ遊びに来て下さい。

♪JR環状線「野田駅」徒歩5分。tel&fax: 06-7492-3431「まち・かどや」♪

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